生活の源を見つめ直す企画展「スープはいのち」開催中

アート

「21_21 DESIGN SIGHT」、「公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団」主催による企画展『スープはいのち』が21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2(東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン)にて8月9日(日)まで開催中。

本展では、デザイナー遠山夏未氏のディレクションのもと、日々誰もが口にする「スープ」を起点として、人が生活するために必要な基本要素「衣食住」を五感を使って改めて見つめ直す。

展示内容について

本展のコンセプトは布や音によるインスタレーションや、香りの作品、写真、スープにまつわる資料展示を通じて、五感で衣食住の根源に触れること。

その中でも、特におススメな3つの展示内容を紹介。

1.12の動詞が織りなす空間を巡りながら、生命の循環を体感する

「宿る」から「灯す」まで、それぞれの動詞が象徴する行為や感覚を空間として表現。来場者は、生命の芽吹き、成長、つながり、充足、そして分かち合いへと続くプロセスを、身体感覚を通して感じることができる。動詞の変化に呼応するように空間も移り変わり、鑑賞者の意識や感覚は自然に次の体験へと導かれる。はじまりから再生へ、そして次なる生命へと受け継がれていく循環を、多層的に味わうことができる展示構成となっている。

2.レシピカードを集めながら鑑賞する

展示の入口に置かれている封筒を片手に会場を巡りながら、作品に対応したスープのレシピカードを集めていく。参加する料理家たちが拵えたレシピを手紙のように封筒へ収めて持ち帰ることで、鑑賞体験は会場の外へと持ち出され、「つくる」「味わう」という行為へと接続されていく。展示を起点に、スープをめぐる物語がその後の日常へと静かに広がっていく仕掛けとなっている。

3.「土紙の大屋根」が生み出す包容的な空間

和紙に土を漉き込んだ「土紙」でつくられた大屋根が会場を覆い、その下に人々の営みの原風景が広がっている。火とともに続いてきた「煮炊き」の記憶や、台所を舞台にした自由な遊びの実践を通して、衣食住の根源的な営みが現代の感覚へと呼び起こされる。

津田直「Grassland,Tears Omotedate#1」
「撮影:木奥恵三」
会場風景
「 旅とスープ―小さなかたちとその移り変わり」
「撮影:木奥恵三」

高橋孝治「くぼみから器へ」(部分)
「撮影:木奥恵三」
会場風景
ISSEY MIYAKE +林響太朗+長尾智子
(部分―)「色をまとい 、色を味わう―身体を染める色と味 」
「撮影:木奥恵三」

展示会の見どころ

本展は触感、響き、匂い、視覚、味覚へと広がる表現を通じて、衣食住に宿る記憶や文化の原風景を体験できるものとなっている。

ストレス社会における現代において質の高い食事をとることはとても重要だ。

その点スープは時間がないときでも作ることができ、また少ない量でも栄養を取ることができたり、現代の我々の暮らしを支えている素晴らしい食べ物といえる。

その「スープ」をこの企画展で一度五感で感じてみることで、いろいろな気づきも多いのではないだろうか。

デザイナープロフィール

遠山夏未/Natusmi Toyama
デザイナー。武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業。イッセイ ミヤケで衣服のデザインをする傍ら、「衣」と「住」は身体を外側から包み、「食」は身体を内側から包むものであると考え、最小限の食として”スープ”に着目し、身体空間をデザインする活動を始める。著書に『ポタージュ –野菜たっぷり家族のスープ–』(池田書店、2014年)。

基本情報

会期:2026年3月27日(金)- 8月9日(日)
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
開館時間:10:00 – 19:00(入場は18:30まで)
入場料:一般1,600 円、大学生800 円、高校生 500 円、中学生以下無料

会場案内

21_21DESIGN SIGHTギャラリー1&2

〒107-0052 東京都港区赤坂 9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
Tel.03-3475-2121 www.2121designsight.jp
都営地下鉄大江戸線「六本木」駅、東京メトロ日比谷線「六本木」駅、東京メトロ千代田線「乃木坂」駅より徒歩5分

文/塩山夢啓 (東京ビジュアルアーツ・アカデミー)

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