時間の貴さと儚さを味わう現代アート展を森美術館にて開催

2025年12月3日〜2026年3月29日に森美術館で「六本木クロッシング2025展:時間は過ぎ去る 私たちは永遠」が開催される。
第8回目となる同展は「時間」をテーマに、国籍を問わず日本で活躍する、もしくは日本にルーツがあり海外で活動するアーティスト全21組を紹介する。

北澤 潤《フラジャイル・ギフト:隼の凧》2024年
展示風景: ARTJOG 2024、ジョグジャ国立美術館(インドネシア、ジョグジャカルタ)
撮影:Aditya Putra Nurfaizi

出展作品には、絵画、彫刻、映像だけでなく、工芸、手芸、ZINE、さらにはコミュニティプロジェクトも含まれ、各作品に現れるさまざまな時間の交差をとおして、日本の現代アートを多角的に見つめ直す。

A.A.Murakami
《ニュー・スプリング》2017年
展示風景:「Studio Swine x COS, New Spring」ミラノサローネ2017

スピード社会の中でアートが持つ「時間性」を今問う

今回の「六本木クロッシング」は、時間を多角的に解釈することで見えてくる、異なる時間の交差に注目しつつ、現代アートをとおして今の「日本」について考察する。

技術革新と効率を優先する現代社会では、人々がより速く生きることが求められている。一方アートはまるで時間が止まったかのように「瞬間」を切り取り、多様な形で人々の感性に触れてくることがある。今回の「六本木クロッシング」には日本にルーツを持つ海外で活動するアーティストや国籍を問わず国内で活動するアーティストの作品を出展。「日本」という枠組みを、地域性や文化的背景、さらには地政学的な視点から捉えつつ、そこへ「時間」という普遍的なテーマを合わせることで、文化的な差異を超えた共通するものを見出そうという試みがある。また各作品からにじみ出る多様な時間の交差をとおして、世界や社会の複雑さに対する幅広い解釈も促していく。
「日本」とは何かを改めて考え、「今」という時間に宿るさまざまな生のあり方、そしてその永続性と向き合い、その中で複雑化する現代社会を生きぬくための可能性を模索する場となるだろう。

レオナルド・バルトロメウス(山口情報芸術センター[YCAM]キュレーター)
キム・ヘジュ(シンガポール美術館シニア・キュレーター)
徳山拓一(森美術館キュレーター)
矢作 学(森美術館アソシエイト・キュレーター)
 参考

廣 直高《無題(解剖学)》2024年
Courtesy: Misako & Rosen, Tokyo
撮影:岡野 慶
沖 潤子《甘い生活》2022年
Courtesy: KOSAKU KANECHIKA, Tokyo
撮影:木奥惠三
桑田卓郎《無題》2016年
ケリー・アカシ《モニュメント(再生)》2024-2025年
Courtesy: Lisson Gallery
撮影:Dawn Blackman
和田礼治郎《スカーレット・ポータル》2020年
展示風景:「Embraced Void」ダニエル・マルツォーナ(ベルリン)、2020年
撮影:Nick Ash

[展覧会名]
六本木クロッシング2025展:時間は過ぎ去る 私たちは永遠
[会期]

2025年12月3日(水)〜2026年3月29日(日)
[会場]

森美術館
(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー)
[開館時間]

10:00~22:00
※火曜日のみ17:00まで
※ただし、12月8日(月)は17:00まで、12月30日(火)は22:00まで
※最終入館は閉館時間の30分前まで
[入館料]


[主催]
森美術館
[企画]

レオナルド・バルトロメウス
(山口情報芸術センター[YCAM]キュレーター)
キム・ヘジュ

シンガポール美術館シニア・キュレーター)
徳山拓一

(森美術館キュレーター)
矢作 学

(森美術館アソシエイト・キュレーター)
[問い合わせ]

お電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)

森美術館 - MORI ART MUSEUM
現代アートを中心にファッション、建築、デザイン、写真、映像など様々なジャンルの展覧会を開催。

※2025年12月29日(月)〜2026年1月2日(金)は
[土・日・休日]料金となります

(文/手塚穂乃香)

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